タイガの森フォーラム
Taiga Forum
Тайга Форум
2010.07.24
体験レポート ビキン川への旅 Marieさんのパート2

ビギン川上り

2日目からエクスカーションのため、ビキン川を5時間くらい延々とボートで上ります。ボートの旅は実に爽快で、横になって、青い空や紅葉が始まった森を眺め、風を感じてうとうととした贅沢な時間を過ごしこれだけでツアーに参加して良かったと思いました。途中、祠に立寄り、ウデへ人のキャピタン(隊長)が旅の無事を祈っていました。大自然の中でいつも危険と隣り合わせで生きている狩人たちは、自然を畏れ敬う気持ちが根付いているのだと感じました。

ウスリータイガの森

3日目はウデへの人たちがタイガの森を案内してくれました。樹木は比較的ほそ目で背が高く、林床は思ったより明るくて心地よい散策ができました。森の中には、クロテン(毛皮用)を獲るための様々な罠や、泊まり込みで獲物を狙うための高台がありました。動物たちが集まる塩の溜まり場、泥遊びをしにきたイノシシの足跡、アムールトラの雄々しい爪痕、クマが木を登った跡など発見。このエリアには600km2(東京23区は621 km2)にアムールトラのオス3頭、メス2頭がいるとのこと。目には見えないけれど野生動物達が棲む森の空気を十分感じとりました。朝鮮五葉松と呼ばれる大木は、松の実が小動物の餌となり、食物連鎖の重要な役割を持つ大切な木です。ウデへの人が疲れたときには寄りかかってエネルギーを補給してもらう木でもあります。タイガの朝鮮五葉松やナラなどが伐採されて中国や日本に輸出されていますが、寒い気候の森林を回復させるには相当年数が必要だと聞いています。実際に、私が見た朝鮮五葉松のサンプルは、成長が遅い個体とのことでしたが、それでもコップ位の太さなのに樹齢280年と聞いて本当に驚きました。材木として使える樹木は少数なので、それを伐採するための林道やスペース確保するために、こんな細い樹木はどんどん倒されているでしょう。長い年月をかけて営まれてきた生態系を決して安易に壊してはではならないと改めて感じました。

カヌー遊びと食事

カヌー遊びをしたとき、ボートと違ってエンジン音がないので周りの鳥の声や川のさざなみの音などが聞こえてきました。ウデへの人々は明け方などに水飲みに川に現われるシカを獲るためにカヌーを使用するとのこと。確かにスーっと忍び寄れるので動物たちに気づかれなさそう。食事には今朝獲ったという鹿肉やイトウの料理などをおかみさんたちが美味しく調理してくれました。薪を囲んでウォッカなど飲みながら夜更けまでみんなでわいわい話したのもとても楽しい思い出です。

(Marie)


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