去る12月2日、タイガの森フォーラム発足を記念するシンポジウム「タイガって何だ??知ろう まもろう 水と命、生物多様性の生まれるところ?」が東京渋谷区の東京ウィメンズプラザホールで開かれました。一般参加者80名をふくむ約100名がタイガの森の危機と希望について情報を共有し、フォーラム発足に立ち会い、60名を超す方がフォーラムの活動を応援する「タイガの森サポーター」となってくださいました。
シンポジウムは、フォーラムよびかけ人の市田則孝さん(バードライフ・アジア会長)のスピーチで幕を開け、伊藤健次さん(写真家)が「写真で見る生命の森・タイガ」と題したスライド&トークでロシア沿海地方ビキン川流域のタイガの自然や先住民族ウデヘの暮らぶりを紹介。
つづいてビキン川生まれでロシアのNGO「ロシア北方先住民族支援センター」の所長を務めるウデヘのロディオン・スリャンジガさんが「森の民・ウデヘの過去・現在・未来」と題したプレゼンテーションでウデヘ人とタイガの森のつながりを語り、ビキン川流域の開発・保護をめぐる状況について「みなさんが関心を持ってくださって国際的関心の高まることが私達とタイガの未来にとって最大の希望です」と呼びかけました。
最後は、タイガの森フォーラム運営委員会の野口栄一郎(国際環境NGO FoE Japan)が「知ろう、まもろう、タイガの森」と題したプレゼンテーションで、タイガの森やビキン川流域と日本のつながりやビキン川流域の世界遺産登録の可能性、フォーラムの活動目的や目下の予定を説明し、活動に用いていくロゴなどを発表して、シンポジウムは閉会しました。
参加者のみなさんは伊藤さんのスライドでタイガの風景に見入り、静かに語るロディオンさんから熱いメッセージを受け取ったようでした。
大規模なシンポジウムではありませんでしたが、ウデヘの人々の暮らしや野生動物の生息に欠くことのできないビキン川流域へとテーマが絞り込まれ、「国際的な関心の高まることが希望」というロディオンさんのメッセージが共有でき、全体として血の通った催しになったと思います。まずはここからスタートしましょう。
このシンポジウムにご参加・ご協力をいただいた皆様、ロディオンさんの通訳を務めてくださった田島様、ありがとうございます。
『タイガの森フォーラム』の活動についてはこちらをご覧ください。 (野口)