見ることが、守ること ?
今日もロシア沿海地方の大地を力強く流れている川、ビキン。
このコーナー 「For Your Eyes Only ? 村人・旅人の見たビキンの生物多様性と暮らし」 では毎回地元の人達や旅人・スタッフの撮影したスナップ写真を交えてビキン川流域の四季の自然や生物多様性、暮らしを見ていこうと思います。
この場所の自然の価値はまだまだ知られていません。この場所を知る人が少しづつ増えていくこと、それがこの場所を守る力を生み出します。見ることが、守ること。
第3回はこの1枚、
これはビキン川を訪れていたロシア人釣り客の男性が移動中の舟から撮った1枚で、2008年秋のもの。
・・・しかし、上の画像ではクマがちょっと小さすぎますね、
このサムネイルをクリックすると大きく見えます (^-^) (そしてお使いのブラウザで「前画面に戻る」のボタンを押すとこのページに戻ってこられます、おそらく)
ツキノワグマもこちらを見ているのが見えましたか?
もっと近くて見たいような ・・・ これくらい離れているほうが安心なような ・・・
(ビキン川流域では、トラやクマの足跡・痕跡を見ることはよくありますが、こうして彼らの姿を目にしたり、写真が撮れたりすることはとても稀で、猟師であるか、よほどの幸運に恵まれるかしないとむずかしいです。ビキン川流域はとにかく広くて、彼ら野生のけものは人前には姿を見せずにタイガで静かに生きています)
ビキン川流域はこのツキノワグマの他に、ヒグマ、そしてアムールトラやオオヤマネコがいるほか、オオカミもいるといわれています。(オオカミは、いるがそれほど多くはない、と地元のウデヘの人々は言います。オオカミのいること自体が凄いことだと思いますが)
日本では 「ツキノワグマは本州に、ヒグマは北海道に」 と生息地域が分かれていますが、ここビキンでは、徒歩数十分の範囲にツキノワグマの痕跡 (ハチの巣を壊して蜜をなめた跡など) とヒグマの痕跡 (水辺の足跡など) とを両方見ることがあります。
ビキンのツキノワグマは日本のツキノワグマとは亜種が異なっていて、日本のツキノワグマと比べると身体が大きい、タテガミが長いなどの特徴があります。ツキノワグマという 「種」 の中にも多様性があって、いま世界には7種類 (7亜種) のツキノワグマがいて、最も大きいのがここロシア沿海地方に暮らす仲間だといわれています。(『ビキンで生まれる仲間達』 コーナー、タイガの森メンバー 002 の 「ツキノワグマ/ギマライスキー・メドヴェーチ」 のページもどうぞ)
撮影者 ?: ?ビキン川を訪れたロシア人釣り客
撮影時期 ?: ?2008年秋
撮影地 ?: ?ビキン川 (ロシア沿海地方ポジャールスキー地区)
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「For Your Eyes Only ? 村人・旅人の見たビキンの生物多様性と暮らし」 は平成21年度の公益信託地球環境日本基金の助成を得て FoE Japan ?の開始したプロジェクト 「住民による写真とメッセージで守るロシア沿海地方ウスリータイガの生物多様性」 の成果を発表していきます