#005 「6月のビキン川で泳ぐクラスニヤール村のこどもたち」
ロシアにも夏があります。それも、暑くて暑くてネコも杓子も川に飛び込まずにはいられないほどの、とびきりの夏が!
ビキン川は北緯46°のあたり(ロシア沿海地方北部。緯度は北海道より高い)を流れていますが、毎年6月から8月にかけては昼の気温が30℃を超す真夏日がつづきます。(このサイトの右の欄にある「WEATHER / ПОГОДА」表示の「Красный Яр」の部分を見るとその日のクラスニヤール村の最高気温や最低気温がわかります。)
クラスニヤール村では、6月下旬に村の学校(1年生〜11年生)が夏休みに入ると、子どもたちは毎日 〜 ?それぞれ家の手伝いをしたあと 〜 この橋のところへ集まってきて次から次へとビキン川に飛び込んで遊んでいます。
真ん中に写っているこの男の子は、自動車のタイヤのチューブを浮き輪にしていました。(持っていたカメラは防水だったので自分もザブザブ川に入って撮りました。)
村の上流にも下流にもアムールトラの棲むタイガが広がっていて、ここにいると森と川と村のいい匂いがします。このビキン川を流れる水は、タイガの栄養を集めながらおよそ560km流れてウスリー川(烏蘇里江)に注ぎ、アムール川(黒龍江)を経てオホーツク海〜北太平洋を潤します。
ある7月の晴れた日、僕は麦わら帽をかぶった村のウデへのおばちゃんとロシア人のおばちゃんから「暑いから一緒に川へ泳ぎにいこうよ!」と元気良く誘われて、三人でこのタイヤのチューブを持ってビキン川にザブン!と飛び込みました。そして川をどんぶらどんぶら流れながら、キャーキャーはしゃいでいるおばちゃんたちと並んで見上げたビキンの空の、青かったことといったらなかったです!タイガの匂いが鼻孔をくすぐり、水はひんやり肌に気持ち良く、その時僕は、いつかきっと大勢の人がこの場所を好きになるだろう、と思いました(野口)
撮影地 ?: ?ビキン川(ロシア沿海地方 ポジャールスキー地区 クラスニヤール村)
撮影時期 ?: ?2004年6月 撮影者 ?: ?野口 栄一郎 Camera:RICOH Caplio 400G wide