広大な原生林というと熱帯雨林を思い浮かべがちだが、実は日本のすぐ近くにもう一つ大森林がある。それが極東ロシアのタイガだ。地理的に近いだけに、日本とのつながりは長く、深い。オホーツクの豊かな海は、タイガを流れるビキン川から流れ出る栄養によって支えられ、日本は長らくタイガからの木材資源の最大の消費国であった。
日本のすぐ背後に控える、生物も文化も豊かなこの大森林が、いま存亡の危機にある。
直接の最大の木材輸入国ではなくなったが、中国経由での輸入量を考えれば、未だ日本は非常に多くの「木材を輸入=破壊に加担」しているとすら言える。タイガを守ることは、日本を含めた東アジア全体の責務なのだ。