シベリア沿海地方を探検するロシアの軍人とガイドに雇われた猟師、デルス・ウザーラの人間的交流を描いた映画「デルス・ウザーラ」。黒澤明監督が1975年、アカデミー賞外国映画賞を受賞した日ソ合作映画だ。
この映画を観たときの感想は、過酷な自然環境の中で繰り広げられる先住民族の経験と知恵に対する人間賛歌と、地の果てにはこんな秘境がまだあるのかというものだった。40年もたたずして、そこに、野生動物の生存を脅かすような人の手が加わるなどとは想像もしなかった。
大変なスピードで地球が狭くなっている。その速さに、私たち日本人がかなり加担している。一方的に恩恵を被るばかりで恩返しはなにもできていないと聞く。「タイガの森フォーラム」は恩返しの一歩になるかもしれない。世界遺産に登録され、世界の財産として守り継がれることを願わずにいられない