数年前、極東ロシアの先住民の居住区、クラスヌイヤール村を訪れる機会があった。手つかずの原生林が残され、昔ながらの狩猟生活を続けている先住民ウデヘ族の人々の顔には、生気が溢れ、目力(めじから)を感じた。このような精悍な面構えの先住民は、世界広しといえども、他にはあまり例がないだろう。伝統的な生活の場である原生林のタイガが維持されていることが、元気の源泉なのである。そのタイガがいま崩壊の危機にさらされている。タイガを南北に結んで、木材を運ぶための木材舗装道路が建設だ。道路が完成すれば、極東ロシアのタイガはあっという間に伐採され、そこに形成されている豊富な生態系もズタズタにされてしまうだろう。
タイガの原生林を守る運動を支援したい。