「タイガの森フォーラム」では、ロシア極東の沿海地方に広がるウスリータイガの素晴らしさを映像で伝える映画制作プロジェクト「タイガからのメッセージ」を開始しました。ビキン川での撮影は9月に3回目を迎え、10月に愛知県名古屋市で開催される生物多様性条約第10回締約国会議（CBD-COP10）でのトレーラー版の初公開に向けて、急ピッチで制作を進めています。

監督を務めてくれるのは、映像制作ユニット「abovo」の三上雄己さんと木村輝一郎さんの二人です。彼らがどんな気持ちで撮影に挑んでいるのか、クラスニ・ヤール村の村人たちへの二人からのメッセージを紹介します。

私たちは６月からここでドキュメンタリー映画の撮影を始めました。

ビキン川流域の豊かなタイガと動物達、それからタイガと共に暮らすあなた達ウデヘを、世界中の人々に知ってもらう為です。

映画を通じて世界中の人々にこの美しい場所や多様な生物の営み、自然とともに生きるウデヘの生活を知ってもらい、それらを未来にも残していくために理解と協力を呼びかけようとしています。なぜなら、ここの自然を残して行く事は、近隣の私達日本人だけでなく、この地球上の全ての生き物達にとっても、非常に重要な事だと、私達は考えるからです。

私たちは、世界の人々の関心がこのビキンのタイガに集まることが、タイガの伐採や密猟などの問題解決の手助けになると考えています。

[photo:ビキン川で撮影中の三上と木村]

10月に公開するトレーラー版は10分ほどの短いものになりますが、来年中には本編を完成させ、世界各地の映像祭などに積極的に出品していく予定です。映像の制作と公表というこのプロジェクトは、森とともに生きてきたウデヘやナナイなどの先住民族の営みを通してビキン川のタイガの森と自然、そこに生きる生きものたちの姿を世界中の人に伝えるだけでなく、この場所を未来に残していくために現地で起こっている、またこれから起こるであろう課題を解決するためのヒントを集めるための活動にもなると考えています。

また、「タイガからのメッセージ」本編制作のための資金を募集しています。映画制作プロジェクトに関心をお持ちの方は事務局（info@taigaforum.jp）までお問い合わせください。

（坂本有希／タイガの森フォーラム事務局／地球・人間環境フォーラム）