タイガの森フォーラム
Taiga Forum
Тайга Форум
2009.07.20
シマフクロウ/リブヌィ・フィーリン

ビキン川へようこそ、
今日は 私達シマフクロウのことを読んでもらえるかな。
私達のロシア語の名前「リブヌィ・フィーリン」は、「魚フクロウ」という意味なんだ。
私達は魚を主食にしているからね。

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翼開長2メートル(※)に達する世界最大級のフクロウ。

夜の狩りに適した眼を持つ。(人間の眼の100倍もの感度があるといわれる)

春先など季節によっては魚のほかカエルなどの小動物を食べる。

成鳥はつがいでいることが多い。3?6月に落葉樹林や針広混交林のニレやポプラの樹洞で営巣する。

IUCN(国際自然保護連合)やロシアのレッドリストで絶滅危惧種に分類されている。マガダン州以南のロシア極東、アムール川流域やオホーツク・日本海沿岸、サハリン島やクリル諸島に生息。ビキン川流域には30つがい前後が生息するといわれる。

ビキン川は魚が豊富なんだ。
そしてタイガには私達が雛を育てるのにもってこいの樹洞のある太くて古い樹が見つかる。
それで私達はビキンで生きているんだよ。

北海道中央部と東部には絶滅の危惧される亜種エゾシマフクロウがいる。

アイヌの人々にとってこの鳥は、生活を見守り豊かさをもたらす神「コタンコロ・カムイ」。

和名のシマフクロウ(島梟)は?島(北海道)のフクロウ?の意でつけられた。

(※翼開長は左右の翼をまっすぐ広げたときの翼の先から先までの長さ)

≪ビキン川のシマフクロウの登場する読み物≫

「ビキン川にシマフクロウを追って」 表紙

『ビキン川にシマフクロウを追って ? アムールの自然誌』 ユーリー・B・プキンスキー 著, 千村 裕子 訳 / 平凡社 / 定価1,960円

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Special Thanks to ; ? Aleksandr Aleksandrovich and?Sayaka Ootsuka


COMMENT

1996年にシマフクロウの日露共同調査でビキンに行って来ました。
当時は姿を見れなかったのですが、鳴き交わしの声は遠くで確認できました。ウスリーの虜になりました。

Posted by Naoko Sugano on 2011.03.19

本当に、ウスリーの世界は人を虜にしますね。科学的にみて生物多様性が高い、ということの他に、実際に足を踏み入れてみると感じることですが、なんとも謎めいていて、良い雰囲気がある。チョウセンゴヨウの松ぼっくりの落ちている辺りにどんな獣が来ていたか、どんな生命のドラマがあるか。想像力を刺激され素晴らしい。

ビキン川流域には、今もこのシマフクロウが川魚を食べて営巣できる自然が残っています。今年の2月(震災の前に)タイガフォーラムの活動で訪れたていたある日の夕方、僕らの仲間の一人がシマフクロウの声を耳にして興奮していました。

その後、帰国して間もなく起きた今回の震災で、あまりに多くの人の生命が失われて僕らも茫然自失としましたが、少しづつ、このタイガフォーラムのサイトにビキンの写真などを載せていこうと思います。外国でも日本でも、これ以上 大地や川や海を汚すことはやめなければならないと心から思う人が増えるはずです。その人達が知る場所のひとつに、このビキン川流域も入ってほしいと思っています。

詳しい記事をまだ書けていませんが、ロシア政府は昨年(2010年)11月、ビキン川流域を世界自然遺産の暫定リストに加える決定をしています。世界自然遺産リスト登録への前進と言えますが、まだ、課題や、やらねばならないことはたくさんあります。そのひとつは、地元の人達がこの話について自分の意見を持つための材料を持つこと、そして政府やNGOが地元の人達とビキン川流域の将来についてよく話し合うことです。

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